2015年6月の月記

1日。平野ノラ『バブルはそこまで来ているゾ!』鑑賞。バブル期を思わせる言葉遣いを駆使したコントで知られる平野ノラをモチーフとした映像集。肝心のネタはイマイチだったが、明らかに異質な存在であるノラのことをごくごく自然に受け入れている現代人のギャップによる違和感が妙に可笑しかった。『しゃべくり007』に厚切りジェイソン。『エンタの神様』で見たというアクセルホッパー永井佑一郎)のネタを再現しようとするも、リズム感の無さが故にグダグダに。
2日。新シーズンのDVDがリリースされるので、その前におさらいをしておこうと思い、『アドベンチャー・タイム』シーズン2の3巻を鑑賞。海外のアニメは日本のアニメとはまた違ったテンションになっていて、実に面白い。流れるようにボケる。録画した『ミレニアムズ』、バンビーノが春日俊彰扮するマッスル獣をニーブラしたり、柳原可奈子が意識高い系女子に扮して若林&村本と対峙したり。
3日。『水曜日のダウンタウン』。他局の「ごきげんよう大賞」に着目する視点は流石。『怒り新党』新3大に「斉藤斎藤の新感覚な短歌」。制限された文字数に集約された自由な視点と表現に目も心も奪われる。自分でも色々と創作してみたが、なかなか上手くいかない。こういうのは数をこなして、そこから自分なりの表現を見つけていくものなのだろう。……いや、それは表現に限らず、何事に関してもそういうものなのかもしれない。
4日。『小林賢太郎テレビ4』を観る。片桐仁というトリックスターを使わずに見る小林のパフォーマンスは、あまりにもマジメ過ぎて、面白くないわけではないが疲れる。色々な意味で、そろそろラーメンズを復活させてもいい時期なのではないかと思うのだが……。
5日。『U-1グランプリ CASE05「ジョビジョバ」』を観る。マギーと福田雄一によるコントユニット“U-1グランプリ”のライブはけっこう当たり外れがあるイメージなのだが、これは大当たり。まあ、かつてマギーがリーダーを務めていたユニットを再結成させているのだから、当たってくれなくちゃ困るのだが。それにしても面白かった。それぞれの魅力をしっかりと引き出した上で、ちゃんと笑える台本に仕上がっているから、背景を知らなくてもしっかり楽しめる。いいライブだった。
6日。『アドベンチャー・タイム』シーズン3のDVD(全3巻)を購入したので、一気に見る。無論、面白い。全巻鑑賞後、『ゴッドタン』のネット配信を見る。この回の企画は、お笑い芸人が五人の女性の中から自分のことを本当に嫌っている人物を的中させる「マジギライ1/5」で、ゲストとしてアンタッチャブル柴田英嗣が出演。五人の中に東京03飯塚悟志が紛れ込んでいるのには笑ったが、彼の芸人仲間としての並々ならぬ思いの強さに、少し感動してしまった。ラーメンズ以上に復活しなくてはならないコンビがここにいる。
7日。『ヨルタモリ』。メインゲストは沢尻エリカだったが、こっそり小室哲哉がご近所さんとして出演していた。それなりにビッグな人がこういうさり気ないカタチで出演しても違和感を覚えないところに、タモリ宮沢りえの懐の深さを感じなくもない。
8日。久しぶりにがっつりと映画が観たくなって、三木聡ダメジン』のDVDを引っ張り出す。ダメな人たちのダメな日々を描いた映画で、三木のナンセンスギャグが如何無く発揮されている……のはいいが、「映画を観たい!」という気持ちを抱えた状態で観る映画ではない。『しゃべくり007』におかずクラブ。上田晋也とオカリナがキスするたびに、いちいち流れるオリジナル・ラヴの『接吻』にニヤリ。
9日。『第十六回 東京03単独公演 あるがままの君でいないで』鑑賞。以前の03は日常における人間同士のいざこざをテーマにしたコントを多く演じていたが、本作はフィクションでよく目にするシチュエーションを元に展開しているコントが目立ち、よりコメディの色合いが強まっているように感じた。どのネタも面白いけれど、ちょっと寂しいような気もする。作家のオークラが担当している長尺コントは、はっきり言って微妙。手抜きとまでは言わないが、まあ、面白くはない。どうしたんだろうか、本当に。
10日。『水曜日のダウンタウン』。アジャ・コング、アームレスリング会長、大林素子、井脇ノブ子のカラオケに苦笑い。人選のクセの強さよ。『怒り新党』新3大のコーナーは「博多のタケさんが目をつけているローカルアイドル」。こっちも人選のクセが強すぎる。Twitterカルメン・マキとキノコホテルの揉め事を目にする。最初はカルメン・マキの肩を持っていたが、なんだかどうでも良くなってしまった。また、太田出版から出るという『絶歌』が話題になっているのを目にする。「こんなモノを世に出す太田出版はろくでもない!」という意見をチラホラ見かけたが、それが結果として宣伝となってしまっていることに、なんともいえない気持ちになった。これが噂に聞いた炎上商法なんだろうか……。
11日。『アメトーーク』で芸人ドラフト。バカリズム有吉弘行東野幸治ブラックマヨネーズ小杉が出演。ひたすら身内で固めるバカリズム、あえてオーソドックスなところを外すテクニックを見せる有吉、将来性を加味した上でそこそこリアリティをもって組み立てる東野、どんどん壊れていく小杉の対比が面白かった。
13日。四万十へ遊びに行く。海洋堂ミュージアムとひろめ市場を堪能。次に行くときは、桂浜にも赴きたい。
14日。『ヨルタモリ』。甲本ヒロトとのセッションに感動。
15日。『THE NEXT GENERATION パトレイバー 第五章』鑑賞。
16日。『小野寺の弟 小野寺の姉』鑑賞。大体予想通り。
17日。『次元大介の墓標』鑑賞。映画というよりテレビスペシャルというレベルの内容で、やや期待外れ。それでも、そこそこには楽しんだが、終盤は「小粋なやりとり」が渋滞していて、そこはバランスをしっかりと考えてもらいたかったなあ、と。『怒り新党』新3大のコーナーは「飛び出し過ぎる絵本」。
18日。『アメトーーク』で読書芸人(若林正恭又吉直樹光浦靖子)のロケ。
19日。又吉直樹の小説『火花』が芥川賞の候補に選出されたというニュースを聞いて、凄い時代になったものだと感心する。『モンティ・パイソン 復活ライブ!~完全版~』鑑賞。イギリスのコメディ集団、モンティ・パイソンが結成45周年を記念して開催したライブを収録。当時の勢いも熱意も感じられないのだが、70代の老人になった今もバカをやってくれるという事実だけでも、なんだかグッとくるものがある。往年のバカバカしき名曲をミュージカルで表現しているのも良かった。まあ、歌詞がヒドいのなんの。

20日。何を血迷ったのか、エレキギターを購入する。
21日。『ヨルタモリ』に糸井重里。電車の始点・終点をドキュメンタリータッチで撮影した「始点・終点」のコーナーが非常に良いなあと改めて。
23日。『馬鹿よ貴方は -第4回単独ライブ-』鑑賞。不器用で良い。
24日。『安心して下さい、穿いてますよ。』(とにかく明るい安村)鑑賞。中年のおっさんが全裸に近い状態でポーズを取っているだけのDVDで、観ているうちに「なんで自分はこんなモノを観ているのだろうか……」という気持ちに。とはいえ、面白かった。続けて『モンティ・パイソン 人生狂想曲』鑑賞。モンティ・パイソン名義では最後の映画作品で、人間の誕生から終末までをモチーフにしたスケッチ集。精子の素晴らしさを歌い踊る人たちがとことん狂っていて面白かった。
25日。『アウト×デラックス』に梶芽衣子。物凄く囃し立てられていたが、当時を知らないので、あまりピンとこず。『アメトーーク』はマリオ芸人。出演者全員がマリオの格好をしているのだが、その中にヒャダインの姿が。コスプレ系の企画になると、ヒャダインが駆り出されている気がする。
28日。『あばれる君です よろしくお願いします』鑑賞。あばれる君のネタはかなり好きなのだが、間に余裕がないために、面白味が半減している。これがベストというのが、なんとも惜しい。本当はもっと面白いのに……。
29日。『しくじり先生』にヒロシ。その後に8.6秒バズーカー『ラッスンゴレライブ』を鑑賞。正直、面白くはなかったが、単独ライブを成立させるために奮闘している若い二人の姿に、妙な感動を覚えてしまった。想定外のバカ売れ状態に惑わされることなく、自身の芸を磨き続けてもらいたい。なお、この並びに他意はない。
30日。厚切りジェイソン『WHY JAPANESE PEOPLE!?』鑑賞。8.6秒バズーカーとは対称的に、堅実に笑いを取れる構成になっていて、それがむしろ退屈に感じられた。面白くないわけではないが、わざわざ見なくてはならないということもない。あと、観客がいないのが寂しい。